- なおる
- I
なおる【治る】〔「直(ナオ)る」と同源〕病気やけががよくなって, もとの健康な状態に戻る。II
「風邪が~・る」「けがが~・る」「身など~・りもてゆく/蜻蛉(上)」
なおる【直る】(1)正常な状態になる。 もとのよい状態に戻る。 (ア)修理・修繕されて機能を回復する。「故障が~・る」(イ)誤りが訂正される。 「誤植が~・る」(ウ)よくない状態が改まる。 「悪い癖が~・らない」「運もやうやく~・りしにや/当世書生気質(逍遥)」(エ)そこなわれていたものが回復する。 「機嫌が~・る」「今日は日の気色も~・れり/源氏(帚木)」(オ)罪が許される。 「事~・りて京に上りて/千載(雑中詞)」
(2)人や物がしかるべき地位・場所におさまる。 (ア)席に着く。 すわる。「座に~・る」「急ぎ本堂へ~・りますると/怪談牡丹灯籠(円朝)」(イ)妾(メカケ)などが正妻になる。 また, 人のあとを継いでその地位を占める。 「姉威能(イノ)の跡に~・る五百(イオ)だからと云ふので/渋江抽斎(鴎外)」(ウ)一段階上の席に移る。 「(劇場で)一等席に~・る」
(3)もとの姿勢に戻る。→ なおれ(感)(4)「死ぬ」の忌み詞。 [延喜式(斎宮寮)]〔「直す」に対する自動詞〕
Japanese explanatory dictionaries. 2013.